2013GW九州ツーリングの記録。
なおこの記録は、当時記した手記と、写真、foursquare(当時)のチェックイン履歴、そして、記憶をもとに2021年に書いている。実に8年越しのツーリング記である(誇らしげに)
プロローグ
2013年のGWは、間の平日3日を休むことで、10日間の連休にすることができた。
一度はツーリングに行きたいと思っていた九州に、納車して数ヶ月が経ち、扱いもだいぶ慣れてきたXT660Zテネレで向かう。
結局、出発直前までバタバタしており大した準備もできなかったのは、いつもどおり。
4/27 1日目
横浜から大阪南港まで。
天気に恵まれた1日目。この日は横浜から、大阪南港まで移動する。
フェリーの出港は16時50分だったが、フェリーには苦い思い出があるので、できるだけ余裕を持っておきたいと思い、早め早めに行動。その結果、出港の2時間以上前に到着してしまい、時間を持て余すことになった。
バはバイクのバ。乗船手続きを済ませる。
宿泊を伴うフェリーに乗るのは、学生時代の北海道ツーリングに続き2回目。当時はお金がなかったからもちろん雑魚寝だったのだが、今回は初の二等洋室。
お世辞にも広いとは言えないが、プライバシーが確保されることの快適さは何物にも変え難く、もう雑魚寝には戻れないと思った。
九州についてもこの天気が続くよう願って眠りにつく。
4/28 2日目
「青の洞窟」的なものかと勘違いして立ち寄った、青の洞門。手掘りのトンネルで、特に青く見える要素があるわけではない。(青は、地名らしい)
昼飯に食べた瓦そば。写真のとおり、瓦のうえにそばが載っている。下関市発祥の料理らしい?
北山展望所から。
そして大観峰。
端的に言うと、この日と翌日が九州ツーリングのピークだった。天気に恵まれたし、なんと言っても阿蘇の道が圧倒的に良かったから。いい道が続きすぎて食傷気味になるような体験を初めてした。
この日は阿蘇市内のゲストハウスに宿泊した。同じゲストハウスの利用者であったBMW、Triumphのアドベンチャー乗りの二人と、近くの温泉に行き、居酒屋へ行き、その後なぜか弁当屋でラーメンを食べ...
同じようなバイクに乗って、同じ場所にツーリングに来ている人間同士、嫌でも話は合うものである。結局二人の名前すら聞いていないが、ツーリング先でのこんな刹那的な関係もいいものだと思う。
ゲストハウスの面々は夜遅くまで活動していたが、自分は疲れていたので一足先に就寝。
4/29 3日目
ツーリングを通して常用していたモンベルの雨具とペンタックスのK-30。K-30についてはひと悶着あったのだが、それは後述する。
ゲストハウスのオーナーさんに教えてもらった通称ラピュタの道を走る。この道は、後の熊本地震で崩落し、現在はきれいに舗装し直されたようだが、当時はガタガタの路面だった。
惜しむらくは、割とあっさりと走り去ってしまったこと。もう少し粘って写真を撮っておけばよかったと悔やんでいる。連泊ツーリング中は、どうしても先を急ぎたいという気持ちになってしまい、このような失敗をたびたびしてしまう。
その後、草千里を見て、
阿蘇山の火口へ。風向きによってはガスの影響で立入禁止になるようだが、この日は運良く見ることができた。
その後、高千穂峡に寄り道した。駐車場がいっぱいだったので手前の神社にバイクを止め、バスで下った。そして、写真を取りつつ神社までの道を登った。
その後、青島神社へ。「鬼の洗濯板」の不思議な見た目のせいなのか、どこか退廃的な雰囲気を感じる神社だった。
夕食の、そびえ立つ唐揚げ定食。どうして、ツーリング中には唐揚げ定食が食べたくなってしまうのだろう...
この日、あまり調べずにとっていた格安宿は風呂なしのシャワーだけで、しかも水しか出なかった... もしこの日が雨で、疲れ切ってたどり着いたのがこの宿だったら心が折れていたかもしれない。
4/30 4日目
宮崎県日南市から鹿児島県南さつま市まで。
朝から雲行きが怪しかったが、出発時はまだ降られずに済んだ。 都井岬へ向かう。
都井岬からの帰り道で、ついに雨が降ってきた。雨中のツーリングがとてもつらいということは、前年のツーリングで嫌というほど思い知らされていたので、今回はちゃんと雨具を用意してきた。
上着はもとからモンベルのレインウェアで、靴もelfの防水シューズだったので、パンツとオーバーグローブを装備する。心の余裕は万全の装備から、とほくそ笑んでいたのもつかの間、手と足に浸水。雨そのものではなく、手足を伝ってくる雨の処理がちゃんとできていなかったのが浸水の原因だと考えている。
本土最南端の佐多岬に向かう道はこのように視界が悪く、手足が濡れて寒かったこともあって、とても疲弊した。
やっとの思い出たどり着いた佐多岬。幸い「何も見えない」という事態は免れた。
指宿行のフェリーでショートカットし、宿へ向かう。結局、この日は一日中雨に打たれることになった。
この日の宿であるビジネスホテルの近くの定食屋にて夕食。また唐揚げ定食を食べており、完全にバ●の一つ覚え...いやいや、きっと丸一日の雨中走行で疲れており、正常な判断力を失っていたのだろう。特筆すべきは、ゴーヤの酢の物がついていたこと。自分が南国にいることを実感した。
宿で写真を見返そうと思ったら、カメラ(K-30)の液晶画面部が結露していて、正常に動かないことに気づいた。K-30は防滴仕様だから、雨の中でも気にせずむき出しでたすき掛けにしていた。さすがに雨脚が強まったときにはホムセン箱の中にいれておいたが、テネレはアップマフラーだから箱に熱が伝わり、箱の中が蒸し風呂状態になっていたのが悪かったのかもしれない。
いずれにしても、このときの落ち込みようといったらなかった。というのも、このツーリングの目的の一つとして福岡の河内藤園で満開の藤の花の写真を撮るというものがあったからだ。そこに辿り着く前にカメラを壊してしまうなんて...
この一件で、自分の中でいつの間にかカメラで写真を撮ることの比重が大きくなっている事に気づいた。
5/1 5日目
宿を出て北上する。遠くに霞む桜島が見える。
途中、曽木の滝へ寄り道。東洋のナイアガラだとか。
天草に渡るために蔵之元港へ。
この日は、もともと天草へ渡り、松島を見てから、さらに雲仙市まで北上する予定だったが、よくよく時間を確認してみると途中で松島を見ているような余裕がないことに気がついた。
まったくもって自分の無計画さのせいだが、松島をスルーしてしまうのはどうしても避けたく、予定を変更することにした。あらかじめ雲仙市でとっていた宿はキャンセルし、天草市内の宿を新たに探す。これで、余裕を持って松島が見られるはず。
名も知らぬ港で、空いている宿を探して電話をかけていた。
夕暮れ時に間に合った、松島。雲は晴れており、いい景色を見ることができた。
この日の夕食は、宿の近くにあったお好み焼き屋で。普段なら一人では入れないような店だが、ツーリング先の妙なテンションならできてしまう。
5/2 6日目
朝、出発しようと駐車場へ向かうと、隣にスーパーテネレが止まっていたので記念(?)に一枚。
雲仙行きの始発のフェリーに無事間に合い、昨日の計画変更分を取り戻せた。
途中で見つけて立ち寄った鉢巻山展望所からの眺め。
てっきり平戸島に「日本最西端の碑」があるのだと思いこんでおり、しかもなぜかGoogleマップで見つけた細い道の先にそれがあるものだとさらに思いこんでいたのだが、意気揚々と入っていったその道が過酷すぎて地獄を見た。
これは、一番つらかった区間を抜けて、ちょっと開けた道に出たので「セーブポイント」のつもりで止めたところ。その先がUターンできないような行き止まりだったら詰むので、ここから徒歩でその先を見に行くことにした。
道の過酷さからうすうす気づいてはいたが、この先に最西端の碑なんてものはもちろんなく、行き止まりの道の先にただ海が広がっているだけだった。
ただ、今Googleマップを改めて見てみたら、ここが「本土と繋がった道の最西端」というちょっとした観光スポットとして登録されていた。なので、一応、間違ってはいなかったということか。当時は、今ほど認知されていなかったというだけで。
過酷な道を引き返して、気を取り直して生月島へ向かう。
途中、棚田の横を通過。
このツーリングに2つ目のピークがあるとしたら、それがこの生月島だっただろう。急峻な山が海のすぐ近くまで迫っていて、その間にある島の外周道路を走るのだが、その景色がなんとも日本離れしている。
島の北端にある大バエ灯台。
そこからは少し弾丸気味に、宿のある唐津市へ向かう。
この日の夕食は、井手ちゃんぽん。
5/3 7日目
ツーリングも今日で最終日。この日は、ツーリングの大きな目的の一つである河内藤園を経由し、帰りのフェリーが出る新門司港へ戻る。
幸い、K-30は少し状況が改善し、不安定ながらもシャッターは切れる状態に回復していた。これであれば、なんとか藤の写真も撮れそうだ。
宿の近くの浜辺を歩く。サーファー?が多い。私は泳げないから、こういうものとは縁遠い。
宿を発ち少し走ると、「芥屋の大門」という案内看板を見つけたので立ち寄ってみるが、昨日見た生月島の景色には遠く及ばず、か。
ここに限らず、この九州ツーリングは初日の阿蘇が圧倒的であったことから、以降の日程で走ったそこそこいい道の感動が薄まってしまった感が否めない。
河内藤園へ到着。時期もドンピシャで、満開の藤を楽しむことができた。
フェリーまでの時間を持て余すのはもはや恒例行事で、無駄に北九州空港へ行ったり、南海部品北九州店に寄ったりしていた。
フェリーに乗る前に近くのうどん屋で夕食を済ませて、乗船。フェリーに乗ってしまったら、もう、やることはない。
まとめ
天気
残念ながら全日程で晴天、とはいかないまでも、雨に降られたのは1日だけ。大きな目的としていた阿蘇、そして河内藤園では良い天気に恵まれ、それだけでも8割方このツーリングは「成功」だったと言える。
装備
このツーリングのためにテネレにホムセン箱を積んだのだが、どう考えても容量不足だった。そして、容量不足であることに気づいたのが出発の朝という体たらく。なぜか「ホムセン箱を積んでおけば荷物はOK!」という思考(または思考停止)に囚われていた。そのため、ツーリング中にリュックを買い足すということをしている。
雨具も用意したが結局手足は濡れてしまい、不快な思いをした。このツーリングの後、ちゃんとした雨具を買い足している。
撮影器具
途中でK-30を壊してしまったのは大きな誤算だった。
また、実はこのツーリングではContourというウェアラブルカメラで道中を撮影していたのだが、ホクホク顔で後から見返してみると、画がかなり揺れていて長時間の視聴には耐えられず、落胆した。撮影した映像は結局、ストレージの肥やしになっている。
画角の設定のせいなのか、フレームレートのせいなのか、単にContourの手ブレ補正の弱さのせいなのかは定かではないが、これならGoProのほうを買っておけば良かったと後悔。(こういう買い物をするときに、少し安い「主流じゃない方」を買って失敗する悪いクセがある)
ただ、もしちゃんとした映像が撮れていたとしても、それらを編集してYouTubeに、というのはかなり気力を必要としたはずで、どちらにしても結局ストレージの肥やしになっていたかもしれない。翻って、ツーリングの動画をちゃんと編集してYouTubeにアップできる人はすごいと思う。
走行計画
松島を走行ルートに組み込んでいなくて急遽予定変更したり、最終日の時間の持て余しっぷりから見るに、まだまだ計画の練りが甘い。
もしまた九州を走るなら
阿蘇は広くていい道が多く、1日でそれらを走り尽くそうというのはちょっと無理があった。もしまた九州を走るなら、阿蘇の日程を多くしたい。
あとは、雨で景色が楽しめなかった最南端部のリベンジか。