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晴れた日にはオートバイに乗って

最高のメカニカルキーボードを求めて

「あがりのキーボード」という記事を書いたばかりの、舌の根も(筆の根も?)乾かぬうちに別のキーボードのことを書いていることについてはひとまず見逃してほしい。

私のとっての最高のキーボードは、前述のとおり「静音のリアルフォース」で疑いようはない。 ただ、そんな私にも、キーボードについての未練がひとつだけある。

それは、何年か前にキーボードを自作したときに使ったスイッチ Gateron Silent Brown (静音茶軸)の使用感が忘れられないということ。

じゃあその自作キーボードとやらを使い続けりゃあいいじゃんという話なのだが、このときに自作したキーボードは奇をてらった格子配列だったことが災いして遂に使いこなすことができず、お蔵入りとなった。 20年来の付き合いであるJIS配列から”改宗”するのはなかなか難しいことだった。

格子配列は失敗だったが、Gateron Silent Brown スイッチ自体の使用感は気に入っており、このスイッチを慣れ親しんだJIS配列のキーボードで使えたらどんなにいいか、とずっと思っていた。

ただ、私の知る限りではそのような仕様のキーボードは市販されていない。

ではどうするかというと、市販の適当なキーボードを入手してスイッチだけ取り替えてやればいい。はんだ付けされたスイッチを取り外して、好みのスイッチを再度はんだ付けする... というところまではちょっと敷居が、という場合は、いわゆるホットスワップ(=スイッチがはんだ付けされておらず抜き差しが可能)対応のキーボードを選べばよい。

最近、自分の中でのキーボード熱が少し高まったので、ホットスワップかつJIS配列のモデルを探してみることにした。

ホットスワップなJIS配列キーボードたち

いざ探してみると、選択肢はあまりない。

Keychron K8 JISレイアウト (ホットスワップモデル)

見た目はかっこよく、ワイヤレスというのも良いのだが、変換・無変換キーのレイアウトが残念すぎる。

いくつかモデルが存在するが、安いモデルはホットスワップではないので注意。

Keychron K8ワイヤレスメカニカルキーボード(日本JISレイアウト)

Pulsar カスタムキーボード(モデル名がわからない)

レイアウトや色、スイッチ、キーキャップなどを選ぶことができるゲーミングキーボード。

Custom Keyboard

この手の製品には珍しくJIS配列が選べるのがミソなのだが、これも変換・無変換キーの位置がなぁ...

E-YOOSO ゲーミングキーボード

商品名にホットスワップなどと一言も書いていないが、商品画像を見ていくと「軸が取り替え可能」と書いてある。レビューを見ても確かにスイッチ交換が可能なようなのだが、どうも取り付けられるスイッチを選ぶ模様。

安いのは歓迎だが、これは安すぎて逆に信用できない...

あとは、変換キーの位置は良いのだが、無変換キーがやたらと左側にあるのも難点。

Logicool G Pro X

なんとなく自分のなかでノーマークだったLogicoolだが、無変換・変換キーの位置を重視する自分にとってはこれが一番マシな選択肢と思う。

結局、探していたものは割とメジャーなところにあるという好例(?)

https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/products/gaming-keyboards/pro-x-gaming-keyboard.920-009242.html

そうとわかれば、

ドン

(相変わらず、自分だけの裁量で決められる買い物については行動が早いな...)

いきなりスイッチを取り替える気満々なので保証など不要。ということで中古品をラクマで購入。商品説明に違わぬ美品だ。 せっかくなので光らせた状態で写真を撮ったが、思いの外眩しい。

第一印象:思っていたより重くて「しっかり感あるな?」と思ったが、思っていたよりも筐体がギシギシなる。剛性があるのかないのかわからない。

キーキャップを外すとロジクールご自慢のGXスイッチ(青軸)が現れる。ご自慢とかいいつつ、よーく見るとスイッチには Kailh の文字。GXスイッチは Kailh 製なのか。

スイッチを外して比較。右がGX青軸、左がもともと持っていた Gateron Silent Brown。 Gateronは5pinモデルでこのままでは基盤にハマらないので、左右のピンはニッパーで切除しておく。

あらかじめ下調べしてあったとおり、GXスイッチとMXスイッチには互換性があるので取替可能。

交換したGateronのスイッチが正常に動くことも無事確認。

ちなみに、交換後のGateronのスイッチでもちゃんと光る。(別に光らなくていいのだが。)

青軸はやかましいので敬遠したが、こうやって実際に使ってみると、やっぱりやかまし

とはいえ、このクリック感というか、タクタイル感というかは確かに気持ちいい。 私に赤軸が合わなかったのは、たぶんタクタイル感がなかったからなのだろうなぁ。 まぁ、すべて静音茶軸に取っ替えてしまうのだが...

スイッチの発注

ベースのキーボードが用意できたので、Gateron Silent Brown スイッチを発注する。なぜ改めて発注するのかというと、以前自作キーボードに組み込んだものは、引っ越しの折に断捨離の風に吹かれて捨てちゃったから(もったいね~)

例のごとく AliExpress で注文する。ブラックフライデーのクーポンが使えたので安く仕入れられた。3,902円/90個。1つあたり約43円。(あれ?あまり安くないか?)

11/29 午前中に注文 → 12/6 午前に到着。早い。知らない間に、AliExpressの荷物をクロネコヤマトが配送してくれるようになった模様。

スイッチの交換

GX青軸を片っ端から静音茶軸に取り替えていく(写真なし)

この記事(の更新分)は静音茶軸でタイピングしているが、軽くて静かで気持ちいい... やはりこのスイッチは当たりだった。個人的にはリアルフォースに勝るとも劣らない、という印象。

一時期cherryの静音赤軸を使っていたが、それよりも明らかに好みだ。やっぱり自分にはリニアは合わないのかもしれない。というかこの静音茶軸に比べたら、静音赤軸ってぜんぜん静かじゃない。

余談:聖なるパンダ🐼

スイッチについて調べているうちに Holy Panda というスイッチの存在を知って気になってしまった。(聖なるパンダ?なんだそりゃ)

アーリータクタイルともいうべき、タクタイル感が押し初めに感じられるスイッチ、ということらしい。リアルフォース、赤軸、青軸、茶軸と使ってみて、自分にはタクタイル感が必要ということがわかってきたこともあり、そのアーリータクタイル感とやらがやたらと気になってきてしまった。

その Holy Panda はすでに入手できない(または、単に割高なだけ?あまり真面目に調べていない)ということなのだが、それを模したスイッチというのがいくつか出回っているらしい。

そこで、Gateron Silent Brown を再発注するのと同時に、AliExpress で Holy Panda ライクなスイッチの中でも評価が高いとされている FEKER の Holy Panda V2 という名前のスイッチを買ってみた。(聞きかじった情報すぎて何一つ確証がない)

https://www.aliexpress.us/item/3256804696947546.html

これもブラックフライデーのクーポンで安く買うことができた。100個で2919円。もちろん送料無料。

で、Gateronとは同時に発注したのだが、実はこっちのが先に届いていた。これも国内配送はクロネコヤマト。11/29 午前 発注 → 12/4 夜 到着 という驚異的なスピード。「コロナの影響で物流が~」とかいう話は船便だけなのか、それとももはやそんな話は世界的には終わっていたのか。

さっそく使ってみての感想だが...

  • アーリータクタイルとはよく言ったものだなぁと思う。確かにタクタイルの山が押し初めに感じられる。
  • ただ山を越えるのが早いせいなのか、打鍵感はむしろリニアに感じてしまう。
  • スペック上の押下圧は67gとなっているが、案外重さは気にならない。赤軸を使ったときに、軽すぎて「腫れ物に触れる」ような感覚があったので、自分はある程度押下圧が重いほうが合っているのかもしれない。(とか言って静音茶軸に対しては「軽くて気持ちいい~」とか言ってるんだけど。)
  • 打鍵音は"カタカタ コトコト"という感じで結構耳につく。よく言えば小気味よく、悪く言えばやかましい。

総評:ちょっと期待が大きかったのか、個人的にはあまり合わないスイッチだった。打鍵感はまぁまぁとしても、音が気に入らなくて使い続けられない。