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晴れた日にはオートバイに乗って

ツーリングにこそ全天球カメラ Thetaを、という提案。

ツーリング中の記録をどう残すか

ツーリング中にふと良い景色に出会う、ということは皆さんも経験がおありのことと思う。

そのときにどのような行動をとるかはその人、その時々によると思うが、おおよそ以下の通りに区分できると考える。

  • 立ち止まって、眺める
  • 立ち止まって、記録(写真、動画)に残す
  • 立ち止まらない

私は極力、「立ち止まって、記録(写真、動画)に残す」ようにしている。これは、主に後からその旅程を振り返ることができるようにするため。 そして、逆説的に、立ち止まって写真に残せるくらいの余裕を常に持っておきたい、という気持ちがそうさせている部分もあると思う。

記録を残す方法にはいろいろあるが、ここでは静止画を残すということにフォーカスする。 そうすると、だいたい以下のような手段に絞られる。

個人的な装備事情からいうと、スマホはナビ代わりとして使用している。そのため、走行中は常に車体にマウントされ、各種結線がされている状態である。 この状態のスマホを、立ち止まるたびに引っぺがす、というのは地味に面倒臭い。この面倒臭さが「まぁ今回は写真はいいかな」という気持ちを誘発して、それが後々の後悔につながったりもする。

この事象を回避するには、スマホ以外に撮影専用の機材を持っていれば良い。例えば、小さなデジカメのようなものをポケットなり、すぐ取り出せる場所に置いておいて、立ち止まった際にそれで写真を撮れば、”スマホ取り外すの面倒くさい問題”は解決できる。

この話にもう一歩踏み込んでみる。

ツーリング後に記録を見返したときの「なんか、違う」感の原因は何なのか

ツーリングから帰り、写真を見返したときに、「もっと綺麗な景色だった(のに、写真にはそれが写っていない)」とか「もっと良い雰囲気だった(のに、写真にはそれが写っていない)」という経験をしたことがないだろうか。私は大いにある。

なぜそうなるのか、仮説を立ててみる。

ツーリングというのは、当然バイクに乗ることで初めて実現できる営みである。バイクに乗ると、好むと好まざるとに関わらず、視覚の情報に加えてそのときの天気や気温といった気候とか、道路の路面の具合とか、エンジンのノイズ、排気音、匂い、といった多次元の情報に晒される。そのような情報がライダーに入力されて、条件が揃うと、ライダーをふと立ち止まらせるに至る。ライダーはバイクを降りて、その場面を記録に残そうとカメラで写真を撮る。

このとき、そのカメラのレンズで(ファインダーで)捉えられる範囲というのはごくごく限定的である。言うなれば、ライダーを立ち止まらせるに至る情報というのは多次元であるのに対し、ライダーが記録に残すのは、そのうちのたった2次元の情報(しかも、画角は限られている)なのである。

そのため、その2次元の情報をあとから振り返って見ても、記憶の中の情景と大きなギャップがあるので、「もっと綺麗な景色だった」「もっと良い雰囲気だった」と感じてしまう、のではないか。

全天球カメラならそれを(少しは)解決できるのではないか

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記事のタイトルのとおり、私がThetaをツーリングでの記録用途に提案するのは、Thetaがそのギャップを"手軽に"埋めることのできるものだと考えたためである。

Thetaは、全天球カメラと呼ばれるカメラで、その名の通り、上下左右全方位の様子を一枚の写真に納めることができる。Thetaが撮影するものも「1枚の写真」であることには変わりないのだが、Thetaで撮影した写真を後から見返すと、不思議とそのときの「雰囲気」や「空気感」のようなものまでが見えてくるような気がするのである。

使い方が簡単なのも、大きなポイントである。ふと立ち止まったら、Thetaの電源を入れておもむろに掲げ、本体中央のボタンを押すだけである。上下左右全方位が撮影できるし、そもそもファインダーや液晶画面もないので、写りはあまり気にせずボタンを押すだけで良い。この気軽さは、「ちょっと立ち止まって写真を撮ろうかな」という気持ちを確実にアシストする。

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例えばこの写真は、ある山道を走っていたときに、紅葉と青空と日光の射す感じがなんとも言えず良かったので、バイクを止めて撮影したものである。バイクから降りてすらいないあたりが、Thetaを使うことの気軽さを表していると言える。(ということにしておく)

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こちらは、北海道ツーリングの際に立ち寄った上平グリーンヒルウィンドファームというところである。草原に風車が立ち並び、その向こうには海が広がる、という圧巻の光景である。

(念のため書いておくと、これらの写真はInstagram向けに「全天球データをグリグリと動かして、なんとなくそれらしい見え方のところを一枚の写真に出力した」ものである。)

私が使っているのは旧モデル(Theta SC)であるが、静止画を撮ることについてはなんら不満はない。

動画についてはお世辞にも画質が良いとは言えないが、そもそも全天球の動画が撮れることについてはおまけ程度と考えて購入したため、気にならない。 動画の画質を求める人は、新モデル(Theta V)を検討した方が良いだろう。(フラッグシップのZ1は、ちょっと高すぎて「気軽さ」が失われそうだ)

注)この記事は旧ブログから転載し加筆したもの[初稿: 2017/11/26]