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晴れた日にはオートバイに乗って

キーボード発掘期:Chicony KU-8933

「ちゃんとしたメンブレン」を探すシリーズ、第7弾は Chicony KU-8933

前説

型番で検索するとこのあたりの情報がヒットする。

おそらく、ミネベアのキーボードのことを調べていたときに、かつてミネベアのキーボードを販売していたUACという会社を知り、その会社がミネベアの取り扱い終了後に取り扱いを始めたこのキーボードを見つけたのだと思う。

(しかし、この手の情報を探すと、当然ながら古い情報しか出てこない。前述の記事だって、2010年のものである...)

まぁ経緯はどうでもいいのだが、KU-3920の件もあってChiconyのキーボードには好感をもっている。また、前述したサイトにも記載があるとおり、鉄板入りのモデルだということなので、こいつが「KU-3920の爽快さを持ちながら、チープ感が払拭されたようなモデルだといいなぁ」と思ってずっと気になっていた*1

入手

そんな折、ヤフオクに安く出品されているのを見つけたのでこの度購入に至った。どうも、まとまった数が定期的に出品されているようなので、興味がある人は検索してみてほしい。

手に持つと、鉄板入りだけあってしっかりと重い。

キーボード筐体もキー表面もザラザラとした梨地の仕上げで、特別高級感もないがチープさもない。

ただ、キーの印字はちょっと安っぽいか。

このキーボードは、向かって右上側端にマウス用のPS/2ポートがついている。そのせいなのか、やけに「おでこ」の部分が広い。そういったあたりの仕様も、インタフェースの過渡期にこのキーボードが製造されていたことを感じさせる。

使用感

さて、キーボード本体のしっかりとした重さに期待感を膨らませながら実際に打ってみる。

...

使用感としてはかなりKU-3920に近い。ただし、鉄板の恩恵なのか、それよりも「しっとり」としている。それは特に、スペースキーやEnterキーといった大き目のキーを押したときに顕著に実感できる。

半面、もっさりとした感じもあり、打鍵時の爽快感みたいなものはKU-3920に劣る。

総評としては「良いが、めちゃくちゃ良いわけでもない」という感じで、数日間使ってみたものの、結局RT6656TWJPに戻してしまった。

後日談

で、このままお蔵入りになるかと思っていたのだが、後日談がある。

ちょっと時間があったので、こいつを分解してみたところ、ラバードームシートはKU-3920と互換性があることがわかった。KU-3920の打鍵感の良さの源はラバードームシートにあると思っている。なので、「もしやシートを移植したら、KU-3920のチープさを払拭した最強のキーボードができあがるのでは?」と思い試してみた。

結論としては、期待通り。かなり良いものが出来上がった、と思う。

実際にはシートを入れ替えるのと合わせて、スライダー部へのセラグリースの塗布と、以前から試してみたかった、キーボード筐体へのパテ盛り(本体を重量化することによる打鍵感の向上を狙ったもの)も実施している。

パテはこれを1個半ほど盛ってある。1個200gなので、おおよそ300gの増加。それだけでもかなり違いを感じる。



(本当はもっと比重の大きい「高比重パテ」というのを使いたかったのだが入手性が悪く断念)


しばらくはこいつを常用機として使ってみることにする。

*1:詳しい人なら、「それってKB-8920のことじゃん」と思われるかもしれないが、そこについてのネタもあるので、いったんそれは置いておいてほしい。