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晴れた日にはオートバイに乗って

バイクを手放した話(そして、バイクを手放す人へ)

きっかけ

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ひとことで言ってしまえば「環境の変化」である。よくある理由で、ここに別段面白い話はない。

以前から希望を出していた転勤が決まり、東海地方へ引っ越すことになった。 住むところを探すにあたり、私は猫を飼っていることから必然的に「ペット可」物件が対象になるが、空前の猫ブームの只中とはいえペット可物件の絶対数は少ない。 (ペットを飼っている方ならわかると思うが、賃貸物件サイトで「ペット可」にチェックを入れると、物件数は1割程度になる。) そのうえで「大型バイク駐車可」などという条件をつけると、住むところが見つからない恐れがあった。

なので、転勤が決まったときから、バイクは手放そうと決心していた。

そして先週末、バイク買取業者にバイクを引き渡した。

バイクを手放す人へ

バイクを手放すにはいくつか方法があるが、私はバイク買取業者に売ることにした。 もし、同じようにバイク買取業者に買い取ってもらうことを考えている人がいたら、これだけは伝えたい。

"複数の買取業者に同時に来てもらったほうが絶対に良い。特に、交渉ごとが苦手な人は。"

「なんだそんなことか」と思われただろうか。確かに、このテクニック自体はよく言われているかもしれない。 私が特に伝えたいのは、交渉ごとが苦手な人ほどそうしたほうがよい、というところ。交渉ごとがめっぽう苦手な私が言うのだから、間違いない。

複数の買取業者に同時に来てもらうことの良さ

複数の業者を同時に相手するのは大変だろうか、その場の仕切りはどうするのか、などという不安はあった。

だが、実際にやってみたら全然大変ではなかった。むしろ楽だった。その理由を以下に書く。

理由その1:自分が値上げ交渉しなくても、買取額が勝手に上がる

業者ひとりが相手のときは、査定額に納得できないときは自分ひとりで交渉を頑張らないといけない。しかし、複数業者がいればオークション形式で自然に買取額が上がっていく。実際私も、業者さん達によるオークションで買取額がどんどん上がっていくのをはたから眺めていただけで、交渉らしい交渉はしていない。強いて言えば、もっとも高い額を提示してくれた業者さんに「あと1万円高くなりませんか」というダメ元の交渉を一度しただけである。そんな調子でも、納得のできる買取額にはなった。

理由その2:一回の場で決着する

例えば5つの業者に順番に来てもらうとしたら、そのうち4つの業者は何かしらの理由をつけて断らなければいけない。 スパッと断れるひとはそれでよいが、私のような人間にとって「断る」というのはそれ自体がけっこうつらい。 それに、こういう交渉ごとでよくある「今決めてくれたら〜」「今だけ〜」という文句。(これ、法律で禁止にしてほしい) 5つの業者を呼んだら、この「今」が5回やってくる。これが判断力を鈍らせ、冷静な判断ができなくなってしまう可能性がある。

5つの業者に同時に来てもらえば、「今」は1回しかないから迷わない。

気づいたことのメモ

その他、気づいた点も書いておく。

別にその場を仕切る必要はない

これは実際に複数業者を呼んでみて気づいたのだが、同じ地域の買取にはやはり同じような業者が集まるらしく、業者同士はそれなりに「顔見知り」であるようだ。 「あのときは◯◯さんに競り負けたからなぁ(笑)」とか「◻︎◻︎さんはヤマハ強いですよね」みたいな話をしているのである。 なので、別にあなたがその場を仕切らなくても、勝手知ったる業者同士、ひとしきり車体の状態や書類を確認したら「じゃ、◯万円からはじめますか」といった感じで淡々と進んでいく。

同時査定NGの業者は断ってしまって良い

業者に来てもらう日時を決める際、各業者には「他の業者も同じ時間に呼ぶつもりだが問題ないか」と念のため聞いておいた。 なかには「同時の査定はNG」と断られる場合もあったが、これは「他の業者とは張り合えない」ということなので、断ってしまっても良いと思う。 時間をずらして来てもらっても良いのだが、おそらくは時間の無駄になってしまう。

バイク某さんは少し早めに呼んだほうが良い

おそらく誰もがその社名を耳にしたことがあるバイク某さんは、他の業者さんよりも少し早めに来てもらった方が良い。例えば15分とか、20分とか。 というのは、査定が終わって買取額が出るのに、他の業者さんよりも明らかに時間がかかるからだ。 それまで、他の業者さんを待たせることになってしまう。そして、時間がかかるからといって査定額が高いかと言えば...?    

ケーススタディ:私の場合

ここからは、私が実際にどのような手順でバイクを手放したのかを書き残しておく。

一括査定サイトへの登録

私が使用した一括査定サイトはこちら。

kaitori.bikebros.co.jp

特にここを選んだ明確な理由はないが、強いて良さをあげればフリー入力ができる備考欄があるので、ここに車両のコンディションを細かく書き込んでおけば、あとで電話口で改めて説明する手間が省けるかもしれない。

このサイト経由で、合計8社に査定依頼がされ、うち7社から連絡があった。 (ちなみに一度も連絡がなかったのは、某「二輪の駅」である)

出張査定日の決定

私は深夜に上記サイトに登録をしたので、その翌朝から電話なりメールなりで続々と連絡が来た。 先述したとおり、各業者には「他の業者と同じ時間帯でも問題ないか」を尋ねつつ、出張査定に来てもらう日時を決めた。 最終的には、同時に5業者が集まることになった。

必要な書類などの準備

以下のものを用意しておいた。

査定日当日

業者さんが続々とやってくるので対応する。対応といっても、書類を手渡したくらいで、あとは車両をひとしきり見終わった業者さんと世間話をしたりしていた。 すべての業者さんが査定を終えるとおもむろに競りが始まるので、そばでその様子を見守る。 最終的に一番高い額を提示してくれる業者さんが決まるので、その人に買取をお願いする。 その他の業者さんは、そこで引き上げていく。

残った業者さんの書類にサインをし、譲渡証明書に押印し、車両を引き渡す。 はじめの業者さんが来てから、車両を引き渡すまで、ものの1時間くらいだろうか。

その後

翌日、指定した口座に入金されていることを確認した。 これで、完了である。

振り返ってみれば、およそ10年ぶりに「バイクが1台もない生活」に戻った。 引っ越した先では、いろいろなバイクをレンタルしてみようと思う。そして、そこでの経験を交えて次なる一台をじっくりと探したい。