苦労して成し遂げたハンドル加工と配線通しについては前回書いた。
では、揃えたパーツを組み上げていく。 おそらくこれが、いちばん楽しい瞬間である。ガンプラで、先に組み立てておいた腕や脚といったパーツを最後に組み上げて完成させる、あの瞬間のような。
スロットルやスイッチケース類はすでに外した。
今回は、各種のワイヤー・ケーブル類、ホース類の延長も行う。
まず手始めに、ブレーキホースを延長するためにブレーキフルードを抜く。 リザーバータンクを開けるので、フルードが飛び散っても大丈夫なようにタオルで養生しておく。
キャリパーのブリーダーバルブにホースを装着。ちなみにこのホースは100円ショップで売っている、熱帯魚用のシリコンホースである。
とここで、よくある話だが、マスターシリンダーのキャップのねじが固着して回らないという問題が発生。回らないねじ、焦る気持ち、舐めていくねじ頭。
ガンプラ完成目前の高揚感はすっかり消え失せて、死んだ目で例の電動ドリルを家から延長(※コードレスでないため)し、今や完全に舐めたねじに穴を開けていく。 私のドリルの力では「ねじ頭を飛ばす」ような芸当はできないので、ある程度の深さの穴を開けて、そこにダイソーの精密"風"ドライバーをたがねのように叩きこんで何とか回すことができた。
それからブレーキフルードを抜き、ブレーキホースを外し、新しいホースを取り付け、新しいブレーキフルードを注ぎ、エア抜きをし...(この間写真なし)
ブレーキホースはこちらで購入。 だいたいこういうとき、メッシュのホースに替える人が多いだろうが、なんとなくスポーティな見た目になるのを嫌って、純正っぽい見た目の地味なホースを買った。ちなみに、純正ブレーキホース長850mmに対して、大事をとって150mmロングの1,000mmのものを買ったが、少々長すぎて取り回しがイマイチなことになった。
次はスロットル。用意したのはこちら。 前々からST250のスロットルは”ロースロ”であると感じていたので、ケーブル延長に合わせてスロットルも交換する。径がいくつか選べるが、”えいや”でΦ42を購入。結果としては意図したとおりのハイスロ具合になった。
さて、右側はだいたいOKだ。次は左側を片付けていこう。
まずはクラッチレバーホルダーを取り付けて... ん?
この純正のクラッチレバーホルダーは、1ピース構造のものだ。そのため、外すときはハンドルの端までスライドさせて、着けるときはハンドルの端から挿し込む必要がある。本来このホルダーは、左手側スイッチケースの「内側」になければいけない。しかし、スイッチケースはすでに取り付けてしまっている。いや、スイッチケースは外せるのだが、配線を外せないのだ。すでにハンドルバー内を通してしまっているから。そして配線が邪魔をしてクラッチレバーホルダーが通らないのだ。解けない知恵の輪状態だ。
このような状況でクラッチレバーホルダーを取り付けるには、以下の2つの策が考えられた。
言い換えるなら、手間をかけるか、金をかけるか、だが、今回は金で解決することにした。いや、ここまでやってまた配線をやり直すのはもう...無理...
ほどなくして見つけたドナーはセローのクラッチレバー周り一式。ヤフオクで購入。2,000円もしなかったと思うが、配線をやり直すのに比べれば安いものだ。汚かったので洗浄。レバーが黒色なのが気に入らず、耐水ペーパーで削って地金を出した(結局、余計な手間をかけている...)
さんざん悩んだ甲斐あり、このSR500レプリカバーのスタイルとポジションは、自分の好みにドンピシャ。右スイッチは撤去(移設)、左スイッチは小ぶりなものとし、さらに配線類をハンドルバー内に通したことでハンドル周りが劇的にスッキリした。
ハンドル交換第2弾は、時間はかかったが満足度の高い結果が得られた。