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晴れた日にはオートバイに乗って

ST250のシートを自作する

背景

ST250のシートは他のバイクと比較すると少し変わっている。

ST250/TU250X

このように、前のシートと後ろのシートが独立したものになっている。

純正シートの座り心地にまったく文句はないのだが、なんとなく2つに分かれたシートが「重く」見える気がしたため、シート交換を考え始めた。

で、ST250のシートを探してみるのだが...

最近(?)気づいたのだが、ST250というのは思っていたよりも不人気車だったようで、アフターパーツはあまりなく、あっても廃番になっていることが多い。 シートも御多分に漏れずな状況である。

方針検討

ざーっと調べてみると、以下のような方針が取り得そうだ。

  • 社外シート(専用品)をヤフオク等で頑張って探す
    • メリット:加工が不要(ボルトオン)
    • デメリット:そもそもモノが少ないので選べないし、価格も高騰しがち
  • 社外シート(汎用品)を加工して取り付ける
    • メリット:安い、入手性に優れる
    • デメリット:だいたい中華製品になるので仕様がよくわからず、取り付けるにあたってどのくらい加工すれば良いかが未知数
  • 兄弟車種(グラストラッカー)のシートを加工して取り付ける
    • メリット:中古品ならそれなりに安く、それなりに入手性に優れる。加工の手間は、社外シートよりは少ない(はず)
    • デメリット:加工が必要

結局、グラストラッカーの純正シートを加工することにした。

結果

「兄弟車種だから、加工といっても少々削るくらいだろう」と高を括っていたが、想像していた以上に加工は必要だった。

これが、いったんの完成の図。若干のシワはあるが、素人仕事にしてはよくできたほうではないだろうか(自分に甘い)

過程

ST250のフロントシート(上)と、グラストラッカー純正シート(下)の比較。 グラストラッカー純正シートはヤフオクで購入。赤い表皮に張り替えられていた。 こうやって並べて、シート中央部にあるゴム部分を起点に両者を比較してみると、グラストラッカーのシートのほうが「前方向」に長いのがわかる。主な加工は、この「前部分」を削ることになる。

表皮を剥がし、スポンジ部分とベース部分を分離する。ゴム足部分もなんとなく外してみたが、特に意味はない。シートベース前側の赤色の線は、当初「これくらいまで削ればいいかな」となんとなく引いた線だが、実際には”こんなもの”では済まなかった。

結局、このくらいまで加工した。単にシート前側を詰めるだけでなく、タンクを固定するボルトを避けるための切り欠きを設けたり、”ベロ”の根元を削ったりと、車体に合わせては削り、合わせては削り...を繰り返した。

シートベースが出来上がったので、スポンジを元に戻して、さらに好みの形になるようにチップウレタンを載せて整形する。

整形したシートから型紙を作成する。

型紙から人工レザーシートを切り出し、縫い合わせる。この手の作業をするときに、猫の妨害を受けるのは日常茶飯事である。 写真はないが、表皮をシートにかぶせ、適度に引っ張りつつタッカーで打つ。表皮は立体裁断チックに作成してあるので、それほど引っ張る必要はなく楽だった。 タッカーは、何年も前にシート張り替えをするときに購入したダイソーのもの。タッカー自体は実用レベルだが、付属の針が使い物にならないのでこれだけは別のちゃんとしたものを用意したほうが良い。