久しぶりに予定のなかった土曜日。
ふとこの景色が見たいと思い、久しぶりにバイクに乗った。振り返ってみると、なんとバイクに乗ること自体が2ヶ月ぶり。ツーリングに限って言うと、琵琶湖まで走ったのがおおよそ半年前なので、半年ぶりのツーリングということになる。 どうしてこうなったのかというと、シートをいじっていたり、ヘルメットをいじっていたりで、バイクに乗れるような状態ではなかったから。
最後にバイクに乗った時は夜でもまだ暑く、ジャケットなんて着ていられない、という状態だった。それがいつのまにか厚着をしなければならないような気温になり、季節の移り変わりを感じるとともに、おそらくバイクに乗るにはもっとも快適だったであろう季節をみすみす逃していたということに後悔を禁じ得ない。
さて、ツーリングである。
雨こそ降らなかったものの、すっきりした晴れ!という天気でもなかったため、目的地である横山展望台からの英虞湾の眺めは、ちょっと残念なものだった。
もとより、この眺めしか目的とするものがない場当たり的なツーリングだから、帰り道はどうしようかとGoogle Mapを見ていたら、南志摩から伊勢に抜ける曲がりくねった県道(12号)を見つけたので、そこを走ってみることにした。
これで2桁県道なのだから、三重県は恐ろしい。車はまずすれ違えない。 路面自体はそれほど荒れている感じはしなかったが、落石、砂利、落ち葉、枝などなどのトッピングがとにかく多い。
人里(というか伊勢神宮近く)まで降りてくると、このような紅葉も見ることができた。
ところで、今回のツーリングで一つ気づいた点がある。 首回りに風が当たるのを防ぐため、マフラーをぐるぐる巻きにして、顎・首とヘルメットの隙間も埋めるようにしたのだが、それによってヘルメットの機密性が高くなったせいなのか、風切り音が聞こえなくなった。 そして、今まで風切り音にかき消されていた排気音がクリアに聞こえるようになった。 ヘルメットの機密性を高くすることによって、かえって外の音が聞こえるようになった、という不思議な状態である。 さらに、聞こえるようになった排気音が、これまで自分が認識していたものよりもかなり”良い音”だったせいで、純粋にバイクに乗るのが楽しくなった。 外に撒き散らす排気音は今までと変わっていないのに、自分が聞くことのできる排気音だけが勇ましくなり、結果気分がよくなるという、なんとも平和なソリューションである。